2005年11月07日

ドライ・エイジド・ナチュラル・アンガスビーフのニューヨーク・ストリップロインを、コーシャーソルトとドライハーブをまぶしてロースト焼き、ボイルド・ブロッコリー添え。好みでカラメライズド・オニオンとゴルゴンゾーラ・チーズのせ。

Dish1.jpg



 泣く子も黙る、ドライ・エイジド・ビーフ(Dry Aged Beef)の登場。

 まず、超ウンチク。
 日本人は、贅沢な舌を持っている。ほんとに厄介なほど繊細。
 なにしろ、釣りたての魚を生で食べて、新鮮さ故の旨さを知ることができる一方で、わざと腐らせた(発酵させたり熟成させたりした)食品の複雑な味にさえも舌鼓を打つことができるのだから。
 
 しかしもったいない事に、その繊細な舌を持った日本人のほとんどが、まだまだ味わったことのない味がある。わざと腐らせた(この場合は熟成させた)、エイジド・ビーフだ。
 エイジドってのは、Ageの過去形のAged。つまり、「わざと日数をかけて熟成させた」というニュアンスになる。そして、エイジド=熟成の中でも、温度管理と湿度管理と細菌管理を施して最新で細心の管理で熟成させたのがドライ・エイジド。
 しかも今日の素材は、和牛の次に柔らかと風味が濃いというベンチマークを叩きだす研究結果が後を絶たない、アンガス牛を指定した逸品。いつものWhole Foodsに無理を言ってそろえてもらったもの。

material.jpg


 さて、そのお肉を小分けして不要なものは、真空パックをして凍らせる。そして、今日の生贄分はコーシャーソルトと、内緒のドライハーブをまぶして常温に戻す。
save.jpg   ready.jpg


 そこまで来たら、オニオンを炒めはじめる。中火でたらたらと炒めるので時間ばかりかかる。しかし温度を上げようものなら、隣の部屋にいてわたしが何をしているのか分かるはずのない妻がいきなり声を上げて制する。隣の部屋に居てどうして分かるのだ???

 さて、たらたらと暇なので、ワインを開けてしまう。そして、オリーブを練りこんだドイツ風パンをかじる。
 Wild Horseは、最近のお気に入りのワイン。03年(くらいだったかな?)のカベルネ・スーベニオンを飲んだことがあったのだが、02年のピノがあったのでトライした次第。
Wine.jpg   OliveBread.jpg


 小一時間もするとビーフが常温に戻る。オニオンもだらけてきた。そして、あらかじめロテサリーマシーンの限界(500F)で中を熱していたマシーンにビーフをセットした。
 この温度で20分。そして375Fに設定温度を落として、中心温度が110Fになるまで回し続ける。
 
 今日の焼き加減は、レア。しかも、中心が暖かい程度のレアをねらった。

 どうしようもないレストランなどに行くと、レアはレアで、一つしかできない。しかし、中が暖かいレアにするか、ちょっと冷たいままのレアがいいのか、客に聞けるくらいでないようでは、その店はモグリのレストランだ。
 しかも、今日は毎度まいどの、ナチュラルビーフなので、ふつうのビーフよりも20%も早く火が通ってしまう。だから温度計が示しているレアの温度帯など、まったく役に立たない。
 
 酔った勢いの勘だけが頼りだった。



NamaNamaGood.jpg


 か、か、完璧っしよっ!!!人肌よりちょっと高めの中心は、もう、生っぽさレアそのもの!!!

 しかも、バターを切るようにスーッとナイフが入っていく柔らかさ。
 エイジド=熟成によって、粉々にミンチにされたアミノ酸が、なんともたまらないアッサリ感と肉本来の味を引き立ててくれる。これは、マジ、うまい!!!
 妻には、400gramくらいの塊を切り分けたのだが、あっさりと平らげてしまった。
 わたしも1ポンド強(500gramくらい?!)の塊を頂いたのだが、食べた後もまったく、胃も体も重くない。旨いうえに、不思議ですらある。

 冷凍庫にはあと4回分のドライエイジドビーフが眠っている。もう、今から楽しみでたまらない。



<余談>
 ほとんどの日本人の舌が味わったことがない味だというのは、こういうステーキを出す店が無かったから。
 しかし、こんな店ができていた→ ポーターハウス・ステーキなるお店だ。こんど帰国の折には、たっぷりと味を試してやろうと思う。
 欧米では、ドライエイジドビーフと言っておきながら、どう考えたって普通のビーフを出しているレストランが散見される。実際、温度と湿度管理は、もともとビーフによって設定を変えなければいけないらしく、安定した味を提供することが困難な一品らしい。だから、そうそうレストランでは出すことが出来ない。

 しかしなー、ドライエイジドビーフって思い切り一般名詞。なのに、このお店のオーナー企業は、登録商標を持っているという。いったい・・・。認める特許庁も特許庁だ。
 まぁ、でも、日本ではそれだけ認知されていなかったビーフの加工の一種だったという事だともいえる。それだけ貴重な逸品であることは間違いないわけだ。   いや、でもやっぱりこの登録は、おかしい。

posted by ニャー皇太子 at 11:21| Comment(22) | TrackBack(0) | 人間-ご飯 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
400gをペロリと食べてしまえるなんて、どれほどおいしいお肉なんでしょう?
食べに行きたい〜。(かなり本気)
お皿洗いをします。お庭の虫とりもします。
バービーちゃん&リバティちゃんと遊んであげます。(喜んで)
1週間メイドに雇ってくださいませ!
Posted by チーズくま at 2005年11月07日 12:31
ひえーー!!
私の負けです(笑)

私も、くまさんとご一緒させてもらおう〜♪
日本でも食べられるのですね♪
機会があったら行ってみまーす。
Posted by miho at 2005年11月07日 17:04
腐らせたお肉ですか…?おいしそう♪
あと4回分もあるんですね。ぜひ私もご一緒させていただきたいです。

それにしても、ウンチクやら余談やら博識ですね。まだまだこれからも知らない食材や調理法が拝見できそうで楽しみです。
Posted by さち at 2005年11月07日 22:52
ロッテサリーマシーン!!私も早く使わなきゃ。
ホールフーズに行けばこのお肉は手に入るのですね?特別注文ですか?で、、気になるお値段を教えていただけないでしょうか?
だめ??聞いてからでないとお店の人に聞けない!
し注文できないです、、こわくて。

 すみ
Posted by at 2005年11月08日 10:25
ユキティさんのだんなさま!
ステキ!
長いネーミングもばっちしデス(^^)v
エイジドビーフだなんて・・・。
文化が違いすぎておもしろ〜い。
私も食べてみたいです!せっかく東京に住んでるから、行ってみた〜い。
また、おいし&スゴイのを期待していま〜すo(^^)o
Posted by かおりん at 2005年11月08日 11:19
チーズくまさん;
いやいや、メイドなどやって頂かなくとも構いませんですよ!んー、でも、皿洗いは魅力的だなぁ。
ほんとに不思議なくらい、アッサリと濃厚なんです。
次回は、何もつけずにローストして、塩を天ぷらのように付けて食べようかと思っています。
Posted by リバビー at 2005年11月08日 13:30
mihoさん;
ありがとうございます。勝たせていただきました。
しかも約束通り、3行をクリアしました。でも、だんだんとちょっと無理がきてますが・・・。
Posted by リバビー at 2005年11月08日 13:33
さちさん;
お褒めにあずかり光栄です。
腐らせるってのは語弊があるかもしれませんが、発酵も熟成も腐敗も、起こっている事はそうそう違わないし、まぁいいか、と。
でも、あまりご期待はせずに、マイペースでいきましょう。
Posted by リバビー at 2005年11月08日 13:38
すみさん;
お?まだ回してないのですね?楽しいですよ。
で、このお肉のお値段ですが、ビデオが見れる最新のiPodくらいから、安いラップトップコンピューターくらいの間くらいします。
だから、気合が必要なのです。

でも、数回にわたって楽しめますし、失敗しても自分のせいだから、まぁ、そんなに頭にもきませんしね。

この写真を持っていったら話が早いと思いますよ。
Posted by リバビー at 2005年11月08日 13:48
かおりんさん;
どうもありがとうございます。「すてき」なんて言われたのは片手で余るくらいしかないので、ドギマギです。
これからも、がんばって精進します。
Posted by リバビー at 2005年11月08日 13:55
もう一つ質問をしてもよろしいでしょうか?
お肉の温度をはかる物を購入しようと思うのですが
どんなタイプの物がいいのでしょうか?
単純な温度計タイプの物か?それともデジタルに
なっていてお肉に差し込んだまま焼ける、、そして
外からお肉の温度が見られるタイプの物とどちらが
いいのでしょうか?
単純な温度計タイプの物はお肉に差し込んだまま
焼いてもいいのでしょうか?

 すみ
Posted by at 2005年11月09日 01:20
さちさん;
温度計は絶対に必要ですよ。
お肉のもっとも厚い辺りの中心温度を計りながら焼くためです。(チキンなどの場合、骨に温度計部分が接触してないことに気をつけてください。)
オーブンで焼く用の温度計は、刺したまま焼いてOKです。

デジタル表示でかつ、ワイヤレスの温度計なら、回転するロテサリーに使い易いでしょう。
http://ww2.williams-sonoma.com/cat/pip.cfm?src=srkn1%7Ctm%7Cv0%7Cwthemometer%2Fsrkn1%7Ctm%7Cv0%7Cwtemp%2Fsrkn1%7Ctm%7Cv0%7CwThermo&skus=4065835&pkey=xsrd0m1%7C15%7C0%7C%7C%7C%7C%7C%7Cthemometer&gids=sku4065835&cmsrc=sch

わたしが使ってるのは、こういうオーソドックスな奴。
http://ww2.williams-sonoma.com/cat/pip.cfm?src=srkn1%7Ctm%7Cv0%7Cwthemometer%2Fsrkn1%7Ctm%7Cv0%7Cwtemp%2Fsrkn1%7Ctm%7Cv0%7CwThermo&skus=6268189&pkey=xsrd0m1%7C15%7C0%7C%7C%7C%7C%7C%7Cthemometer&gids=sku6268189&cmsrc=sch

ちょっと小洒落た感じだと、こういうものもあるんですねー。
http://ww2.williams-sonoma.com/cat/pip.cfm?src=srkn1%7Ctm%7Cv0%7Cwthemometer%2Fsrkn1%7Ctm%7Cv0%7Cwtemp%2Fsrkn1%7Ctm%7Cv0%7CwThermo&skus=4674065&pkey=xsrd0m1%7C15%7C0%7C%7C%7C%7C%7C%7Cthemometer&gids=sku4674065&cmsrc=sch
Posted by リバビー at 2005年11月09日 06:34

リバティーさんの使っている温度計の場合は
刺したまま焼いてもいいのですか?
だめですよね?
そのために刺したまま焼けるタイプがあるのですよね??

 すみ
Posted by at 2005年11月09日 06:50
すみさん;
刺したまま温度を計るための温度計ですから、3つのどのタイプも刺したまま焼いて大丈夫ですよ。
焼くというのは、オーブンだろうとグリルだろうと。(電子レンジは止めといた方が無難でしょう。)

だから、わたしが使ってるオーソドックスな温度計も、刺したまま焼いてオッケーです。オーブンだろうと、グリルだろうと。
注)水には弱いので、使い終わったら濡れ雑巾で拭くくらいにしてます。水が、メーターの中に入っちゃうんですよ。
Posted by リバティー at 2005年11月09日 07:07
色々とありがとうございます。
そうなんですか、、全部刺したまま焼いていいんですね!では私はリバティーさんが使っている物と
同じようなタイプの物を購入したいと思います。
では今からWILLIAMS-SONOMAに行って購入してこようと思います。我が家から歩いて5分の所にあるんです。散歩がてら行ってきまーす。
こちらはただいま午後3時半でーす。

 すみ
Posted by at 2005年11月09日 08:24
すみさん;
ソノマまで、歩いて5分ですかぁ。いいところにお住まいですねっ!羨ましいです。
温度計を買ったら、メニューはなんですか?美味しいものが焼けるといいですね。
Posted by リバビー at 2005年11月09日 09:36

買ってきました!
ふふっふ、、、。ついでにソノマのROASTINGの分厚い本まで買ってきました。
何を焼こうかなーーー。
私が住んでいるのはサンフランから高速を30−40分とばした所にあるスタンフォード大学のある
PALO ALTOです。ご存じでしょうか?
家の前の道をはさんでスタンフォードショッピングセンターがあるので毎日お散歩がてら行っています。ニーマンマーカス、ブルミングデール、メーシーズ、ノードストロームなどのデパートやウィリアムソノマなどの細かいお店がたくさーーーんあるので毎日見てもあきません。
そしてこの中にあるお肉やさんに謎の黒牛肉があるんです。アメリカでもここにしかないものなんだそうです。秘密のレシピで黒くして味をつけてあるんだけれどこれが名物なんですよ。ほんとうに真っ黒なんですよ。石炭のようです。
もしこちらに来ることがあったら食べてみてくださいね。それからキッチンのこれは!というグッズが
あったらまた教えてください。

 すみ











Posted by at 2005年11月09日 10:12
すみさん;
いやー、凄いところにお住まいですね!
それにしても、石炭のような黒牛肉とはっ? うーむぅ、なんだろう?
Posted by リバビー at 2005年11月10日 16:13
ポーターハウス・ステーキ。おおっ、ここはオフィスから至近ぢゃよ。
以前ケンズダイニングがあったとこね。
HPみると、「ドライ・エイジド・ビーフは株式会社ちゃんとの登録商標です」となっている。
なんと横暴な。日本語になっただけでこんな排他的なことしてええんかい。
Posted by naipi at 2005年11月13日 14:05
naipiさん;
おぉ!
チャンスあったらスポンサー見つけて行って来てくだされ。(タンタン麺と違って、ほいほいと行って来て!と言えない・・・。)
登録商標、そうですよねぇ? 逆パターン(と言うのかな?)のホッチキスとは大違いですよ。
Posted by リバビー at 2005年11月15日 10:12
ドライエイジドといえばlobels ですね。

一度買っては見ましたがlobelsのお肉は天下一品。
毎日ここのお肉を買う人はどんな人なんだろうとMETの近くに住んでいる人を恨みます。

ほんと、日本にはないんですよね。
でも、ドライエイジドは聞くところによると普通の家庭の冷蔵庫でもやれないことはないとfood channelでやっていました。

僕も商標登録の件、疑問に思います。
ごぞんじ。
Posted by かずまん at 2006年02月08日 09:52
かずまんさん;

ようこそ!
いやー知りませんでしたLobels。またいろいろ教えてください。
Posted by リバビー at 2006年02月08日 12:14
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。