2005年10月16日

チリとライムとクミンのマリネで、スパッチクック・エアードライ・ナチュラルチキンのオーブン焼き

 先週の「ナチュラルなフレッシュ・ハーブとビーフのロースト・プライムリブ」では、妻を腰砕けにしたのだが懐具合もかなり砕けた。
 しかし味をしめてしまった妻がアンコールをせがむ。
 だから今週は、「チリとライムとクミンのマリネで、スパッチクック( Spatchcock )・エアードライ・ナチュラルチキンのオーブン焼き」で応えてみた。

 まずは、主役のチキンの超ウンチク。
naturalAirDryChicken.jpg

 確かに圧倒的にチキンは安いのだが、それでは何だかかっこ悪い。
 そこで、エアードライのチキンを選んだ。
 並のチキンは、小学校のプールのような水槽でジャブジャブと肉を冷やす。これだと早くまんべんなく冷えるのだが、肉が水を吸うのでチキンを買っているようでじつは水を買っているってなことになる。しかも、吸った水は後で出てくるのだが、その時に味も道連れにする。だから結果として、味がなくてパサつくまずい鶏肉になる。エアードライだと、美味しい成分が残ったままで売られるので、チキン本来の味と触感が味わえる。つまり、バカ旨。
 そして今回のチキンは、抗生物質フリーの植物育ちの健康チキン(と書いてある。)だから、ちょっと並の物より高い。だから、安くなるようにチキン丸ごと、を選んだ。

 しかし、今回の目玉はそんなことではない。
 今回の目玉は、スパッチクック(Spatchcock)にすることだ!

 普通のチキンの丸ごとは、丸くなった猫の皮をむいたような格好をしている。
 そして、この猫チキンに味付けをしたり、味付け液を注射したり、詰め物をしたりして丸焼きをする。

normal.jpg


 これでは芸がない。

 そこで今日は、スパッチクックにして焼くことにした。こうすると早く均等に熱が通るので焼きムラや、熱の伝わりムラによる食感のバラつき(不味いと感じる一因)が防げる。しかも、竹串をつかって形を整えるので日本人の心情にも訴えるものがある。来年の居酒屋メニューに、ホッケの開きの代わりにデビューしてもおかしくない存在感があるチキンになる。うーん、もしかしたら、日本にこういうチキンの姿を紹介するのは、わたしが初めてではなかろうか?!
spatchcock.jpg


 さぁ、つぎはマリネのレシピ紹介。
 1.オリーブオイル 半カップ
   マリネの屋台骨となるオリーブオイルには、今日は品種にこだわり、スペイン産のArbequina種だけをつかったエキストラ・バージン・オリーブ・オイルを選んだ。数あるオリーブの中でも、風味に深みとフルーティさに定評のある別格のオリーブ(とわたしは勝手に思い込んでいる。)
 2.フレッシュライムの搾り汁 2テーブルスプーン
 3.フレッシュガーリックのチョップ 2テーブルスプーン
 4.チリパウダー 4テーブルスプーン
 5.クミン 4テーブルスプーン

marin.jpg

 これらの材料をボールにいれで、カシャカシャとかき混ぜる。そしてジップロックにスパッチクックしたチキンと一緒に入れて冷蔵庫で5時間寝かせる。一晩中だっていい。

 最後に焼き。
 マリネがしっかり浸透したチキンを取り出し、パニーニマシンで5分くらい挟んで焼き目を入れてやる。本当はグリルでやるのがいいのだろうが、4−5分のために火をおこすのはアホらしいので、パニーニマシンで代替。
 そして、あとは375F(190C)のオーブンに突っ込んで、チキンの中心温度が180F(83C)になるまで、30−40分放ったらかせば出来上がる。
doneChicken.jpg



 丸焼きが進むにつれて、エスニックな香りが台所に広がる。ふと気がつくと、その香りに引かれて軽量化の進んだ暴走猫が台所にやってきた。
 2回目の手術からの回復は恐ろしいほど順調で、すでに毎朝の1人運動会を始めて数日がたつ。以前のように仏頂面なのだが、なんだか目に冷たさが漂うようになったので、余計にむかつく瞬間が増えた。
 また、もともと妻の声には文字通りの猫なで声で応える猫なのだが、その甘え方は輪をかけて甘ったるくなっている。どうやら、この猫のなかでは、貧富の差ならぬ愛憎の差が広がっているようである。
 ちょっと点数をかせいでおこうと、新しい餌を買ってやった。着地失敗でベランダから落下する以外に家の外を知らない猫のためのような餌が新発売になっていた。しかし、なんちゅー餌だ!
felineSupremeFood.jpg



 焼きあがったチキンは、部屋中の空気をエスニックに変えてくれた。クミンとオイルはややもすると口の中に粘着する。そこで今日は、東南アジア各国と仲のいいオーストラリアのシャルドネを開けた。とても荒っぽいワインだったが、このマリネとの相性は抜群だった。マリネのもったり感を洗い流してくれるので次のチキンにどんどんと手が進む。それだけでなく、ワインのトゲトゲしさをマリネが包み込んでくれるので、ワインの爽やかでまろやかな甘味だけが口に残り、そしてそれがまた、次のチキンを誘ってくれた。
 チキンとの付き添えは今日はないが、妻が大好きだったレッドスターのアジア風サラダを用意した。洋ナシとバルサミコベースの甘いドレッシングが絡んだサラダは、チキンとワインに飽きそうになる口に、新鮮な感覚を常に運んでくれた。
 
 今日のディナーは、いつもよりも長く、とても楽しいものになった。

dinner.jpg
posted by ニャー皇太子 at 12:12| Comment(12) | TrackBack(2) | 人間-ご飯 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ひゃー。間違えてユキティさんのブログを開いてしまったのかと思いました。
こうやって開いて厚みを均等にすれば、
火が通りすぎる部分がなくてパサパサに硬くならずに済みますねー。
「スパッチクック」というのですね。勉強になります!
これからも、素晴らしいお料理をお待ちしております♪
Posted by チーズくま at 2005年10月16日 14:14
いいないいな♪おいしい料理で楽しい食事の時間。
それにしても、リバビーさんの文章はいつも楽しいですね。どうしてだろう…?

「スパッチクック」何のことだかさっぱりわからなかったのに、チーズくまさんのコメントを読んで理解できました♪
Posted by さち at 2005年10月16日 17:22
チーズくまさん;
恐縮です。
スパッチクックに開くときに、背骨を取るんですが、それがいいダシのもとにもなります。
2-3日続けておいしい料理ができやす。
Posted by リバビー at 2005年10月17日 01:23
さちさん;
文章よかったですか?はじめて言われましたよ。
スパッチクックは、簡単で失敗が少ないくせにインパクトがありますので、男料理にはいいと思います。(と、女性にバラしてはいけない。)
Posted by リバビー at 2005年10月17日 01:29
ギャッ、ギャーーーーーー!!!!
おおおおおおおおおいしそう〜〜〜〜〜!!!
たしかエゲレスの鳥肉も新鮮に見せるために
水を注射しとると聞いたことがあったが、
どうりで鳥がまずいわけじゃ〜。
やっぱ男子が焼く肉はええなあ!
味はちょっとアジア風!?この焼き加減がたまらんがねー!!
やっぱふんどし一丁で焼いたのかしらねえ。
ねじりはちまきで。
背後にはユキティさんが太鼓を打ち鳴らしてるってのはどう?
「ジャパニーズレストラン・男焼き」をナメリカで展開してちょーーーーーー!!!
Posted by よっぺー at 2005年10月17日 11:37
よっぺーさん;
すごい店ですな!でも、いい!
やっぱり、一号店はニューヨークあたりで・・・。いや、ハワイは、ワシントンあたりの方がいいか?!



Posted by りばびー at 2005年10月17日 12:00
「ディナーは長くとてもたのしいものに」
…タイトルも長いし記事も写真も長くて、こだわりが伝わってくるぞよ。

水で膨らますのはチキンに限らずまま見かけますね。スライスのハムなんざ、殆どそうですね。
「インドアキャット」うちも買いました!
Posted by naipi at 2005年10月17日 21:18
絶対作りたい!!と思っていたのですが背骨を
抜かないといけないんですね。どうやって?
女の私にもできますか??
それからステーキのおいしい焼き方があったら
教えてください。
いつもどうやってもおいしく焼けないんです。
(私もアメリカに住んでおります)
Posted by sumi at 2005年10月18日 01:12
naipiさん;
最近ブログが手抜きだ!と非難されたので、ちょっと気合をいれてみました。ら、長くなりすぎました。

おぉ、インドアキャット買いましたか!何がどう違うのか面倒くさいから聞かなかったけど、ネーミングに負けました。
Posted by リバビー at 2005年10月18日 05:34
sumiさん;
鶏の背骨の取り方は至って簡単ですよ。キッチン用のハサミで、背骨のふちを背骨に沿ってバリバリ切るだけです。
で、背骨を取ったら、本を開くようにバリバリと広げるだけです。肋骨がバリバリ折れますがビビッてはいけません。
で、写真にあるように竹串を通して形を整えて完成です。
切り取った背骨はダシ用とっておけばいつか使えます。

ステーキは、ある意味気合です。なぜかというと、なるべく厚めの肉にすること(1cm程度の肉では高級和牛でもない限り、厚めの焼肉になってしまって旨くないから)と、モモのお肉は使わない(モモなんかどうやっても硬くてまずい)からです。そうすると結果として結構高くつきます。だから、気合が必要です。
わたしはフライパンは使いません(焼くのではなくてステアフライになってしまう)ので、普通のチャコールのグリルで焼いてます。でもガスのグリルの方が温度調整ができるから、便利じゃないですかね。塩とフレッシュブラックペッパーで味付けして、まず3〜5分強火で焼きます。で、90度回転させてまた数分。(これで焼き目が十字につきます。)それから別の面も同様。
これがおわったら、そのまま中火にしてじっくりとお好みの焼き加減まで焼きます。温度計を指しておけば温度でレアとかミディアムとか分かります。
ナチュラルビーフの時は、温度計の示す温度では焼き過ぎになる(レアのつもりがミディアムになってしまうとか)ので、15Fくらい早めに火からおろしてしまってかまいません。
それから、お肉は1〜2時間くらい室温で放っておいて室温に戻しておくと、表面ばかり炭になるってことは少ないですね。こうするときは、新鮮なお肉にすることと、人間が一番汚いのですから手はマメに洗うことはお忘れなく。
Posted by リバビー at 2005年10月18日 07:37
リバービーさん;

お返事をありがとうございます。
チャーコールのグリルというのは外でバーベキュー
をするときの物ですか?
もしよかったら今度ステーキを焼くときは写真付き
で焼き方をのせてくださーい。
きっとお宅のステーキはおいしいんだろうな。
うんちくを聞きながら食べてみたいです!!
ユキティーさんとリバービーさんのページを見ているととてもなごやかな気持ちになります。
私もアメリカに住んでいますがアメリカ牛ってほんとおいしいんですよね!
また何かおいしいお肉料理があったらレシピと
写真で教えてくださいね。
ああーーステーキおいしく焼きたい!!
Posted by sumi at 2005年10月18日 23:53
sumiさん;

チャコールのグリルというのは、外でバーベキューする奴です。
スーパーのトレイに盛られたステーキ用お肉なんてのは、薄いのでどうやっても不味くなります。ちょっと固まりのお肉を買って、室温に戻してから焼くっていうのを練習してみてはどうでしょう。同時にレアとかミディアムという焼き加減を習得できますよ。

しょせん肉の塊を焼くだけです。

むずかしいことはありません。2回も焼けば、コツはつかめちいますから・・・。
Posted by リバビー at 2005年10月19日 14:15
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