2005年07月12日

食育基本法

 読売新聞によると、7月15日金曜日から施行される食育基本法の担当大臣に、棚橋科学技術相が指名されたという。
 小泉首相は11日、棚橋科学技術相の担当事項に、食生活の大切さを教える「食育」を新たに加える方針を固めた。
 食育基本法が15日に施行されるのに伴う措置で、同日にも発令する。
 栄養バランスや食べ方を教える「食育」は、・・・・


 そういえば、朝日新聞がちょっと前に、同法の成立の記事をあげていました。

 子どもの「食」に関する教育に国や自治体が取り組むことを定めた「食育基本法」が10日午前の参院本会議で自民、公明、共産各党などの賛成多数で可決、成立した。民主、社民両党は反対した。


 ここで、ちょっと目にとまってしまったのが、「民主党は反対していた」ということ。
 さっそく同党の見解を見てみて、そして納得した。
 けっして、同党の主張に納得したのではない。
 「やっぱりだめだ、民主党」といつも思っているのだけれでも、それをより強固にしてくれるものだったので、自分の考えはまだ通用したよ、と納得したという次第。

 でも、この見解を引用すると、食育基本法をうまく説明できるかもしれないと思い、以下に引用して説明してみようと思う。

  民主党の食育基本法に関する見解は、3つの点で反論し、最後にまとめで締めくくっている。

1.現代の食生活においては、不規則な食事や栄養の偏り、ファーストフードの氾濫などに加え、遺伝子組替食品や輸入食品等における安全性の問題など、さまざまな課題を抱えている。しかしながら本来、「食」とは個々人の選択と自由にまかせられるべきものであり、個人の「権利」たるその内容について国家が介入すべき性質のものではない。もとより健全な食生活のあり方を国が規定し、しかも基本法のかたちで、国民に協力や責務を押し付けることは慎重に考えるべきである。


 「個人」の「自由」という国民がクラクラする言葉をうまく使ってます。その前には食にかんする不安材料をきちんと並べているので、効果はまるで倍増です。
 しかし、それが大きくて古い落とし穴です。
 個人の本当に自由な選択を実行する際には、「知っていること」が重要です。
 医療の世界では、インフォームド・コンセント。食に関する世界では、リスクコミュニケーション。環境に関しても地域住民との意見交換会などなどというものが、ちゃんと行われている理由は、まさしくそのためです。
 同意してもらう必要はありませんが、知っておいてもらうことが重要なんです。ノイズの少ない情報を共有できて初めて、自由に自分で考えて判断が下せるはずです。
 その辺ことをすっ飛ばして、無教育な個人に判断を謳歌させようというのです。そんなベースの判断では、一体誰が不幸になるのか、ちょっと考えれば分かりそうなものですが。その辺の洞察力が、いつも民主党からは微塵も感じられません。
 
 「知ってるうえでの判断」どういうことか、分かりやすい例があります。東京都の最新の意識調査によると、トレーサビリティという単語を理解している人はたったの11%でした。けっこうマスコミを賑わせた単語ですが知ってる人はとても少ない。ところが、トレーサビリティによってこそもたらされる情報、つまり産地だとか農家だとかという生産情報を気にしながら買い物をする人は、なんと40%にもなります。つまり、最低でも30%の人が、自分が欲しい情報は、何(=トレーサビリティの構築)によってもたらされることを知らないという実態が明らかになっています。お金を多少払ってもいいから、そういう情報を知らせて欲しいという結果さえも出ています。
 更に悪いことに、一家の食をあずかる立場の主婦層が、いちばんトレーサビリティを知らないということも浮き彫りになっています。
 偽装だ、BSEだ、と騒がれてトレーサビリティは一躍有名になったのですが、悲しいかな一番しるべき主婦は知らないのです、そんな言葉。たとえ気にはなっていても。だから主婦のなかには常に、スーパーや生産者などに一抹の疑いを持ち続けているのが当たり前になってしまってるのかもしれません。
 こういう現実を解消してくために、教育だとか啓蒙というのが必要なわけです。
 また一方、生産者や物流業者は、トレーサビリティを構築してまじめにやっていることを伝える手段としても期待しています。でもこの状態を解消しないと、トレーサビリティの潜在マーケット=40%は、いつまでたっても11%のままです。だからやっぱり、食育などによる教育が必要なのです。
 
 知らないのに真に自分のためになる選択が出来るわけがない。だから、そういう選択をすることができるように法律でバックアップすることに反対するとは、、、民主党の頭脳部はどういう回路をもっているのだろう。
 
2.また本法案は、国民や関係者に協力や責務を課す一方で、具体的施策については訓示規定に留まっていることから、法制定により何らかの直接的効果が生じるものではない。すでに文部科学省や厚生労働省が独自の施策を推進している状況を鑑みると、ことさら基本法を制定しなければならない積極的な理由は認められない。


 縦割り行政の弊害は古くて新しい問題であり、その垣根をぬぐうという点だけでも大きな効果です。はい。

3.そもそもわが国の食品行政は、さまざまな矛盾を抱えており、消費者が健全で安全な食生活を送るうえで、その前提となる環境が整備されているとは言い難い。「食に関する知識と、食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践する能力を育てる」という「食育」の基本理念は理解できる面もあるが、健全で安全な食生活のための環境整備がないままに、「食育」の名目で法律を制定し国民に協力を強いることは、国の責任放棄であり、本末転倒だと言わざるを得ない。これら消費者の選択にかかる環境整備こそ、国が優先して取り組むべき事項である。


 矛盾を抱えまくってるのは、民主党こそ、と思います。

 さて、環境の不整備という意味が、わたしにはさっぱり分かりません。こんな広く解釈がゆるされるような反論じゃ話にならないと思うんですが。
 たとえばもし、食品の物流を指すのであれば、物流業界はジャスコを代表する量販のプレッシャーによってメーカー、商社、大手物流が三つ巴になって激しいリストラの渦中にあります。世界にほこる物流網は、さらに進化を続けています。
 もし、教育カリキュラムにないことを言うのであれば、法律の制定は大きな一歩でしょう。教育に予算がつきますから、理念を実行に移せるのですから。
 またもし、教師の不備を言うのであれば、民間企業の活用が十分に有効でしょ。英語の先生に資格のない人間を使っている実績があるでしょう。有効かつコンフリクトのない方法はいくらでもありそう。
 はたまたもし、通勤で時間がかかるとか、共働きで一緒に食べられないことが環境の不整備というのであれば、いつまでたってもこんなしょうもない反論を書かれるような見解しか出せないことを恥じてください。こんなこと、問題提起がでかすぎて、なにも出来やしません。
 いったい民主党は、なにを言ってんの???


 わたしは、生産者と消費者の相互理解を醸造すること、そして同時に自給率の向上に取り組む、これが食育のゴールじゃないかな、と考えています。そして、それが次世代にちゃんと伝わっていくこと、これも重要だな、と。

posted by ニャー皇太子 at 13:37| Comment(2) | TrackBack(0) | 人間-ご飯 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おお!農協 vs イオングループですな。
正しい食を繋げていくのは当たり前の責務じゃろ。
それが出来んし、学ぼうともしないから立法化じゃろ。
環境ちゅうのは作るもんじゃなくて
起こり上がってくるもんじゃぞ。

「食」とは個々人の選択と自由にまかせられるべきものであり、個人の「権利」たるその内容について国家が介入すべき性質のものではない。

くくく、ひゃひゃひゃ、ぎゃぎゃぎゃ!
あー笑った笑った。
前から子どもっぽいサークルだなーとは思っていたが
まさかここまでとは。
リバピー、おもろいこと教えてくれてありがとさん。

ちょっと今から地元の岡田屋に行って文句言って来ます。
お前さんとことの鮮魚売り場の醜さをなんとかしな!
ウチの近所じゃあんたとこの天ぷらが一番胸やけするが!
Posted by 伊藤マレ at 2005年07月14日 00:50
ちょ〜っと岡田さんちの事業にはついてけないかなぁってお話を散見されるようになった、今日この頃。

それはそうと天ぷらくいてー!

Posted by リバビー at 2005年07月14日 14:08
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