2005年12月29日

耐震強度の偽装

 根本的には、知ってて悪さしていた建築士と、彼にそう仕向けた建築会社(というのか、設計会社というのかわからんけど)と、そのような会社に仕事を丸投げして看板だけ販売時に使わせていた超有名建設会社が、悪い。

 そういう悪いことをする奴が後をたたないから、建物の強度をちゃんと計算するプロなどが本来は養成される。たとえば、こんなことかな?→http://jsca.or.jp/vol2/11as_eng/index_as_eng.html 
 で、ちゃんとした設計図と計算書をつくって、他人に確認してもらい、2重のチェックとする。

 じっさい、プロの建築計算人でも悪さするやつもいるだろうし、うっかりすることもあるでしょう。だから、この2重チェックは重要です。そして、その計算がちゃんとできているか他人の立場から確認するのが「指定確認検査機関」といって、イーホームズとか、ERIとかなんとかいう会社になる。
 
 たとえば、こういう読売の記事 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051226-00000015-yom-soci では、イーホームズの主張が間違っているように書かれているが、間違っているのは、読売のこの記事を書いた記者。一般読者には、受け入れられやすい内容なので、読売の記事は正しいように思えるでしょうが、間違っている。
 むしろ、イーホームズの社長などの発言の方が圧倒的に正しい。

 2つの面から考えてただしい。

 まずは、法律面から。
 建築基準法と国土交通省の省令によって、指定確認検査機関の要件が定義されています。
http://www.houko.com/00/01/S25/201.HTM#s4-2.2
http://www.j-eri.co.jp/gyoumu/gyo01a.html (該当省令が見つけられないので、この省のサイトはダメサイトです。かわりにERIだかのサイトから学べます。)
 これらが定義するのは、指定確認検査機関は建築計算が間違っていないか設計図と計算書の整合性を見るだけと、明らかになっています。
 
 だから、読売の記事は大間違いです。読売が指摘すべきは、「確認検査機関は、建築計算自体の妥当性を検証する責任はない」という事実です。つまり、法律の欠陥です。だから、たとえ、イーホームズが裁判にかけられたとしても、負けるはずがありません。法律が求めていることはちゃんとやっているからです。

 「法律で求めてることさえやってればいいのか?それで確認検査機関といえるのか?」という批判が聞こえてきそうですが、ちょっとまってほしいですね。法律が求めていることを平気で破ったのは、建築士やそれに関係した建築会社です。彼らが徹底して社会的制裁を受けるのがまっとうな勧善懲悪です。

 つぎには、考え方の違いという面から。
 日本人の心情というか考え方では、「認証」という概念が著しく欠けていて「認証」に対する評価が著しく低い。だから、マスコミはいとも簡単に、認証という仕事を行っている「確認検査機関」を叩いて社会的正義を果たしたと勘違いします。
 認証という仕事は、他人がやったことと言ったことに矛盾がないことを証明する仕事です。
 そして、他人がやったことと言ったことが、整合性を保って偽装されている場合でも、証明されてしまうのです。この場合、悪意をもって偽装したやつだけが悪いだけで、認証した人間にはまったく責任はありません。
 「チェック」「検査」があれば大丈夫だったろう?というのがマスコミですが、悪さするやつがいるのがいけない。どんなチェックにも、かならず限界とか、論理的にカバーできないことがある。だからどんなにチェック体性を叩いても未来永劫に完全な頼りにはなりえない。


 最初から悪意をもって偽装をして整合性を保っていれば、確認検査機関などまったく何の役にも立ちません。これは、チェックの問題ではなくて、論理的な問題。
 だから、どんな理由があるにせよ、悪意をもって実行し、それを誤魔化そうとする人間と組織が一番の重罪です。
 認証機関である確認検査機関は、システムの限界にある落とし穴にはまってるだけで、「認証」という行動に画期的な発見が無い限り、未来永劫に続く問題です。



 ま、人間が、犬のようになれれば、こういう議論をする問題は減ると思うこのごろです。

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posted by ニャー皇太子 at 13:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 人間-政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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