2005年05月04日

脱線事故

 処罰が考えられている運転手が2人がいます。くしゃくしゃになった車体に背を向けた2人の運転手。

 横転した物理的な理由や、被害者の話の再現や、政府と会社の会見の食い違いだとか、いろいろとニュースには事欠きません。が、わたしが最初に思った「事故原因」は、この2人の行動を知るにつけ、決定的になったな と。だからそれを説明してみたいと思います。そして、どうして欲しいのかも説明したいと思います。

 一昨日の夜は、自分が閉じ込められた夢をみましたので、思いのほかこの事故のことが気になっているようです。説明するにあたって、2つほど関係ないような話を引き合いにだしてみます。

 まず、小学校の時の思い出です。
 ある年の火事か地震の避難訓練の話です。その年はなんと、抜き打ちでいきなり休み時間に行われました。ですからもちろん、わたしも含め、ほとんどの子供が校庭で遊んでいました。
 いきなりけたたましいサイレンと訓練の放送が始まると、子供達は2つのグループに分かれたのです。
「先生の指示を得るために教室に戻らないといけない!」
「どうせ、外に逃げてくるんだから、ここにいればいいんじゃないの?」 という2つです。
 その後、先生からは「校舎から落ち着いて逃げることが訓練の目的だから、校舎には戻ってこなくていいのよ」と、復習してもらったことは言うまでもありません。
 避難「訓練」とはいいますが、ここでは訓練というよりも、災害時にどういう風に行動するのかという一種の実験という見方をしたいと思います。つまり実験の結果は、2つのグループに分かれたというわけです。

 次は、盲導犬の訓練です。これは、文字通り訓練。
 そして、その訓練のメニューの中には、素人では到底想像ができない訓練があります。ご主人様の命令を「意識して」無視させる訓練です。
 交差点で、車や自転車などが向かってくるのは犬にしか見えません。もし、雑多な交差点だったらどうでしょうか。ご主人様の耳はあてになりませんだから、その犬の目だけが頼りです。でも、ご主人様は車がくることが分からず、犬に対して「進め」「歩け!」と命令してしまうケースがあるかもしれません。でも、歩き出したら車に轢かれてしまいます。
 そういう時のために盲導犬は、ご主人様の命令を「意図的に」無視・反逆して、安全が確保されるまで耐えなければならないのです。そういう訓練です。
 犬好きな方でしたら、一体どうやったらそんなことが出来るのが、頭を悩ませることでしょう。でも、訓練次第で出来るようになるのです。

 さて、運転手2人の話に入ります。
 運転手がその時、どんな考えをしたのか想像しかできませんが、でも考える道筋が狂ってたってことは確かです。
 犬だって、訓練すればご主人様の命令に反逆することさえできるのです。でも、この2人が働いていた会社の教育・訓練は、「人なら誰でも分かる、人としてやらなければいけないことを、敢えてさせなくさせるような訓練」だったんです。
 彼らは(報道によれば)動転していたといいます。でも「先生の意見を聞くためだから」と、そこから避難すべき校舎に、わざわざ戻ってしまったんです。
 
 いったい全体、どんな教育・訓練を受けていたのでしょうね。

 例えば、みんなの前で反省文を書き続けさせるということをしていたようですね。そんなものは訓練ではありません。上官の「俺がこの人間と組織を支配している!」という自己満足を満たすだけの儀式です。教育でも訓練でもなんでもありません。

 団塊の世代がいう管理では、こういう例が多い。「徹底させる」とか「教育をしっかりやり直す」なんて言うのはたいがいがそうです。
 結果、その次の世代がまったく育っていない。当たり前です。適切な訓練じゃないからです。
 適切な訓練がないとおかしくなるのは、おじさん世代だけではありません。若い世代でも一緒。堀江氏がその例です。

 同社の社長が、事故現場に花を弔いにいらっしゃったとき「現場からは、運転手にとってきつい環境だ、という声が届いていなかった」と吐露していたようですね。企業の失敗の時には、いつも繰り返される発言ですが、実際、そうなんでしょう。
 「知らないじゃ済まされないだろうが!」と思う気持ちは一緒ですが、それでは、徹底させる程度の教育・訓練しか思いつかない人間と一緒なので、あえて言いません。 
 むしろ、「知らなかったものはどうしようもない」んです。知らないんだから対応なんか出来っこない。ただ社長だから非常時には表に立ち、責任をとらないといけない。ただ、それだけの話です。
 でも、精神的に追い込むことが訓練だと思い込んでいた管理者達も、もはや無用なことは言うまでもありません。

 彼らもろとも即座に会社を辞めていただきたい。
 公共サービスの安全と、彼ら達のためです。
 そして「きついこと」を知っていた若い世代に全てを託せばいい。また、とてもクリティカルな公共サービスの問題ですので、金融は十分に支援していかなければならない。そのためだったら多少、国に補助金を返還するのが遅れたっていい。

 粉飾決済とか、脱税とか、偽造とか、犯行者に意識があって起った事故ではないんです。「問題が分かっていなかった人間が管理していた」から起きた事故なんです。そしてこれからは、適切な訓練しか問題を適切に解決していくことができません。もちろん、ソフトでカバーできないことは、ハードで補うことで代替するように工夫もすることになるでしょうが、ソフトが中心にくることには変わりはありません。

 今までの訓練がまったく意味をなしていなかったんです。そんな教育・訓練は無用です。また、そんなのが良かれと思っていて今頃になって「まずかったか?」と気がつく管理者も不用なんです。そんな方々にヘタに会社に残られて、再度ねじれた安全対策・教育・訓練になることこそ、避けないといけません。だから、四の五の言わずに辞めてもらいたいわけです。

 適切な訓練を知っていたら、もともとやっていたでしょう?知らなかったからやってこなかった。ただただ過去からの引き継ぎをすることを「よし」としてやってきただけでしょう?でもこの事故のあとでは、会社に残られても今後は役にたたんのです。会社に居残って、知らない(つまり、できっこない)ことをやってもらっても安全対策にならんのです。
 だから会社は即刻やめ、そしてつまらん看板から自由なればいい。そして後悔の念を味わってみたらいい。そして始めて個人として(会社にではなく)社会にすべきことが見えてくるかもしれません。それが彼ら達のためにもなると思うのです。だから、やはり、辞めていただきたいのです。


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posted by ニャー皇太子 at 13:43| デンバー ☁| Comment(5) | TrackBack(0) | 人間-日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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